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放射線を知る

放射線管理の実務

「放射線管理とは」項では、「放射線管理は、放射線防護の目的と三原則に則って、放射線作業環境における従事者と一般住民を放射線から防護するため実施する、放射線・放射能モニタリング、作業被ばく管理、個人被ばく管理等の実務活動である」と紹介しました。これらの放射線管理の実務は、下図のようなPDCAサイクルで行われ、常に改善を行いながら、進めていきます。以下で、放射線管理実務のPDCAについて紹介します。

■放射線管理の計画(Plan)

放射線管理の実務は、計画から始まります。計画の立案では、事前にできるだけ情報を収集し、下記のように「何のために」、「いつ」、「どこで」、「何を」、「どんな測定器を使って測定するのか」等を検討します。
・ 作業内容の情報(どんな作業を、どこで、どのくらいの期間で、何人くらいで)
・ 測定の目的(個人被ばく管理:1日毎・全作業期間、作業環境の管理)
・ 測定の項目(空間線量率、表面汚染密度、空気中放射性物質濃度)
・ 測定器の選定(個人線量計、電離箱、GM式汚染サーベイメーター、ダストサンプラー 等)
・ 測定時期(作業前、作業中、作業後 等)
・ 判断基準(法令値、施設管理基準値、社内基準値等)
・ 放射線防護(被ばく低減対策、汚染拡大防止対策、防護装備の選定等)

■放射線管理の実行(Do)

放射線管理の計画(Plan)で立案した放射線管理計画を実行します。実行するにあたり、以下の事項に留意する必要があります。
・ 事前に作業関係者へ放射線管理計画の説明を行う。(関係者全員の理解)
・ 評価(Check)するために必要な測定値等、結果の記録。

■結果の分析・評価(Check)

放射線管理計画を実行(Do)して得られた測定値等の結果と計画時に予測した結果との差異を確認し、評価します。評価を行った結果、差異がある場合や、判断基準を逸脱している場合は、原因・要因を特定します。 放射線管理計画が長期に渡って実施される場合は、その中間地点等の決まった時期に、それまでの結果を一旦評価し、必要に応じ放射線管理の計画(Plan)を見直すことも重要になります。

■対策(Action)

結果の分析・評価(Check)で特定した原因・要因について関係者と協議を行い、 作業改善、環境改善等の対策を立案します。これら改善対策は、次回同一作業、類似作業の計画(Plan)に反映していきます。 なお、改善対策は、経済的観点も加味する必要があり、費用対効果も考慮して立案する必要があります。

放射線管理の実務では、PDCAサイクルを継続的に回し、改善していくことが大切になります。

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