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放射線を知る

放射線防護の三原則

国際放射線防護委員会(ICRP)のPubl.26で、放射線防護の目的に対する三原則が示され、その後、主勧告であるPubl.60及びPubl.103でも引き続き適用される考え方です。

正当化の原則

放射線被ばくを伴う「行為」は、被ばくする個人または社会に対してそれによって生ずる放射線障害を相殺するに十分な便益がなければならなく、人々に放射線被ばくをもたらす行為を実行しようとする場合には、被ばくによる有害な影響を上回る利益がもたらされることが確実でない場合でないと、その行為を行ってはならないとされています。また、放射線被ばくを伴わない代替の手段の便益およびコストについても検討し、その導入の可能性についても併せて考慮する必要があります。

防護の最適化の原則

個人の被ばく線量、被ばく人数、被ばくの可能性を経済的要因、社会的要因を考慮に加えた上、合理的に達成できる限り低く押さえる(ALARAの原則)こととされています。防護の最適化は、放射線防護体系の基本をなす概念で、最も重要視されています。

線量限度の適用の原則

線量限度とは線量又はリスクの合計を制限するため、設定された個人線量の上限値です。線量限度は放射線を取り扱う職業人又は一般公衆の受けた放射線が容認できないレベルと耐えられるレベルの境界になるように設定されています。この線量限度の設定にあたり、被ばくグループとその子孫が最終的に被る害の全体を表す尺度として「損害」という概念が用いられます。現在、国内法令では以下の基準が設けられています。

  • 一般公衆に対しては 1mSv/1年
  • 放射線業務に従事する者の被ばく線量限度は
  •  ○実効線量
  •   100mSv/5年 かつ 50mSv/1年
  •   5mSv/3か月 (女子)
  •  ○等価線量
  •   水晶体 100mSv/5年 かつ 50mSv/1年
  •   皮膚  500mSv/1年

これら放射線防護の三原則を受けて、「放射線管理とは」項で放射線管理について説明します。

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